MICRO ベルトドライブプレーヤー BL-91 アーム SME 3009/Series III

ターンテーブルシャフトと軸受けまわりに音質改善のための独自のノウハウを導入するため、外周駆動方式によるベルトドライブ方式を採用しています。
駆動モーターにはアウターローター型ブラシレスサーボモーターを使用し、ベルトには経年変化の少ないカーボン材を配合したウレタン材を8mm幅・0.45mm厚に精密加工し、さらに研磨仕上げしたものを使用しています。

ターンテーブルシャフトには16mm経の大型シャフト(ステンレス鋼)を採用しています。また、軸受けは特殊合金によるベアリングと独自のスラストメタルを組み合わせ、大型シャフトハウジングに収納した構造となっています。シャフトとベアリングは一対一のラッピングを行い、鏡面仕上となっています。また、シャフトの真円度は0.4マイクロ以内の高精度加工が行われています。

シャフトに対する側面の軸受けメタルには特殊合金を採用しており、鉛を粒化し金属素地の結晶粒内に析出させています。このため、回転にともなうシャフトとの摩擦面には常に鉛とオイルによる薄膜が形成され、油膜切れの無い円滑な回転を得ています。
さらに軸受けのスラストも含めて独自のオイルバス方式を採用しており、温度変化や経年変化の影響の少ない構造を実現しています。

ターンテーブルにはアルミダイキャスト製ターンテーブルを採用しており、慣性モーメント600kg・cm²を得ています。

電源トランスには、従来のものに比べてフラックスが極めて小さいカットレスコア・トランスを採用しています。

回転メカニズムを保持するベースは、部品取付のためのホールカットを出来るだけ小さくし、ソリッドベースを有効に活用した設計となっています。これにより、モーターの回転やターンテーブルの回転による共振を低減しています。
また、外観は黒檀仕上げが施されています。

脚部には大型インシュレーターを採用しており、メカニズムの安定性を高めるとともに対ハウリングにも高い効果を発揮しています。このインシュレーターは特殊ゴムタイヤを使用することでアブソーバーとしての効果も高めており、外部振動を低減しています。

SME 3009/Series III 

超軽量・ハイコンプライアンスカートリッジに対応した高感度トーンアーム。 シェルとパイプアームを一体化したSME独自のキャリングアーム方式によって有害振動の減衰を図っています。 パイプアームには極薄チタニウムを使用しており、パイプの表面だけを窒素硬化処理で硬度を与え、さらに内部には繊維質のライニングを張ってカートリッジから伝わってくる微振動を自然に減衰させています。 また、メインウェイトなどの重量を必要とする部品には100トンプレスで加工されたカーボンファイバーを使用することで、一層の高感度と慣性モーメントの低下を図っています。 シェル部にはカーボンファイバーを採用しています。 SMEの代表的な技術であるナイフエッジ部にはカーボンファイバーを採用しています。 さらに、ナイフエッジをヘッドシェル方向に対して直角に配置させることで、エッジの先端位置を標準的なカートリッジのスタイラスと同じ高さにそろえ、メインウェイトをパイプアームの高さより下に配置しています。この新しい支点配置によってナイフエッジの摩擦抵抗をゼロに近づけることに成功しています。 また、この構造はアームの浮き上り現象に対しても有効な働きを示しています。 カートリッジ実装時でのピックアップ系全体の低域共振・機械振動を低減する独自のフルイドダンパーを装備しています。 このダンパーにはオイルダンプ方式を採用しており、シリコン液の流動特性を利用することで、わずかな共振でありながら低域に重大な影響を及ぼす低域共振を低減しています。