DENON プリアンプ  PRA-2000

DENON    PRA-2000



ディスク再生の限界に挑戦し、リアルタイム・イコライザーアンプを搭載したコントロールアンプ。

 

コライザー部にはCR型をさらに発展させた無帰還型リアルタイム・イコライザー・アンプを採用しています。

構成は新開発ローノイズFETによるDCリニア・アンプ2段と段間のCR型イコライジング・フィルターから成り、初段のFETはパラレル差動とし、S/Nを大幅に改善しながら高域における特性の劣化を防ぐカスコード・ブート・ストラップ回路を採用しています。
さらに入力結合コンデンサーを取り除き、コンデンサーによる音の色づけをなくしただけでなく、Pc800mW・fT120MHzという高出力・高速トランジスタによる150V高圧電源オペレーションとあいまって、クリッピングレベル47Vの高出力・広ダイナミックレンジを実現しています。
また、CR型イコライジング・フィルターの低インピーダンス化により高S/Nを達成しています。
CR素子にはポリプロピレン形コンデンサーと±1%級金属被膜蒸着抵抗を採用しています。

Phono3端子は、トランジスタ22石構成のMCヘッドアンプに直結した構造となっています。
このヘッドアンプ部は、初段には低雑音化に有利なPNP型低雑音トランジスタを多段並列接続するなど、DENONの最高級ヘッドアンプHA-1000と同等の回路構成となっています。
さらに、専用MCヘッドアンプとしての性能を確保するため、供給電源を増大させるブースターを備えた±15Vの安定化電源をヘッドアンプ基板内に備え、電源インピーダンスを極少に抑え、高S/N・ハイスピード化を図っています。

フラットアンプ部には、10kΩの低インピーダンス・ボリューム回路を採用しています。
これにより、高抵抗熱雑音によるS/Nの劣化、トランジスタによるミラー効果とからんで、歪の増大、高手工と配線の浮遊容量などによるハイカットフィルターの形成、スルーレイト・ライズタイムの悪化などのハイインピーダンスボリュームで考えられるデメリットを解消しています。
また、ダイレクトDCサーボ方式を採用しており、初段FET差動アンプのパラレル構成とサーボ専用アンプに代るサーボ帰還回路によって、低歪、高S/N化を図るとともに出力結合コンデンサーを除去しています。

各セレクタースイッチは操作性を考慮し、軽いタッチで切替る電子回路採用のソフトプッシュ式となっています。
経年変化の少ないリードリレーを、オーディオ信号配線の引き回しの影響を受けない位置に配置し、音質面への配慮を図っています。
また、切替時にはワンショット・トリガー回路が働き、一時的に出力側へのパワーがOFF状態になるワンショット・ミューティング機構などの複合機能を搭載しています。

電源部には電源変動率に強く漏洩磁束を十二分に考慮した5重シールドの大型トロイダルトランスを搭載しています。このトロイダルトランスは巻線径1.2mmφ容量50VAとなっています。

不要な色づけを排したクオリティの高い音をパワーアンプへ送るため、ディスクからの信号はバッファアンプを通ることなく、イコライザーアンプからフラットアンプへダイレクトに送る方式を採用しています。Phono各系統はそのままフラットアンプへ、AUX、Tuner、Tapeはファンクション切替えによって自動的にバッファアンプへ接続されます。
さらに、Tuner、Tapeのインピーダンスマッチング用、サブソニックフィルター用のバッファアンプは新開発対称型コンプリメンタリーFET・DC構成となっており、問題となる2次高調波歪の発生を防ぎ高S/Nを得ています。また、初段FETの入力間帰還容量による歪の発生を防ぐとともに150Vの高圧動作のため、イコライザーアンプでも採用したカスコードブートストラップ回路を採用しています。

各部の左右チャンネルを対等に配置し、さらに信号ユニットと電源部を分離することで、相互干渉を防いでいます。
またアンプ部上部基板と下部基板間のシールドをはじめ、MCヘッドアンプとイコライザーアンプは、高S/Nの維持と磁気歪の防止のため、アルミ板使用の2段構造としています。

異常時にパワーアンプの素子を保護するエマージェンシープロテクター回路を搭載しています。

Λコンデンサーをはじめとしたオーディオ用に厳選した高級パーツを採用しています。

サブソニックフィルターや2段ミューティングなどの機能を搭載しています。

幅455×高さ132×奥行357mm

10.5kg