アキュフェーズ　FMチューナー　T-105

シンセサイザー方式の選局回路は水晶発振子で基準周波数を作り、必要な受信周波数にプリセットするプログラム・ディバイダーとPLL回路の組み合わせにより、電子的にフロントエンドを希望信号に同調させます。
従来のバリコン方式のように連続的に受信周波数が変化するものではなく、100kHz間隔で正確に受信周波数をロックし、常に歪最小点で受信することが可能です。

バリコン方式と同じフィーリングの手動式選局も可能とするため、T-104で開発されたパルス・チューニング方式を搭載しています。この方式は、回転ノブの内部に取り付けられた光学的パルス発生器によってパルス信号を発生し、これでシンセサイザーをコントロールして受信周波数を変える構造となっています。
また、希望局であらかじめ記憶させておき、ワンタッチで呼び出すメモリー・チューニング方式を搭載しており、6局をメモリーすることが可能です。
さらに、受信周波数を素早くスイープさせるスキャンニング方式も搭載しています。

フロントエンド部には、PLL回路と組合わされたバラクター素子を使った純電子コントロール方式を採用しており、2段複同調方式と同調バッファーの構成により、RF相互変調を大幅に改善しています。

中間周波回路には高選択度特性と低歪率を両立させるために、選択度と群遅延特性の優れたバルク・ウェーブ・フィルターを採用しています。
また、隣接局の混信を除去するセレクティビティー切替スイッチを搭載しており、Narrow(高選択度)時も専用バルク・ウェーブ・フィルターによって高選択度と低歪率の両立を図っています。

検波器には、90度を中心として周波数に応じて直線的に変化する移相器(位相を偏移させる回路)を使った信号と入力波とを掛算してオーディオ信号を得る「位相変換型検波器」を使用しています。この広帯域リニアフェーズ移相器により、優れた検波特性を得ています。

ステレオ復調回路には、パイロットキャリアを取り除く回路を内蔵したPLLデモジュレーターを搭載しています。

メーターは切替スイッチにより入力信号レベルとピーク指示変調度、マルチパスのチェックがd系増す。
入力信号レベルはdBf直読目盛、変調度はフルスケール200%、マルチパスはメーター指針がクリアーマークの範囲に入ればマルチパス最少で良質な電波を受信できます。

電波の弱いステレオ局のノイズを低減するノイズフィルターや、ステレオ放送をモノラルに切り替えるモードスイッチ、局間ノイズを取り去るミューティングスイッチ、出力レベルコントロールなどを搭載しています。

別売り   天然ローズウッド・キャビネットA-9(￥17,600)　つき

左上のOUTPUT LEVELの「つまみ」は破損のため、汎用つまみと入れ替わっています。