First Watt SIT1というアンプ

First Watt SIT1 をご紹介いたします。

当店では、遅ればせながら初デビューとなりました
First Watt SIT1 というアンプをご紹介いたします。

詳しくは 上記リンクの輸入代理店 株式会社エレクトリさんのHPでご覧いただくとして
ここでは掻い摘んだ雑感のみを書いておこうと思います。


かつてはスレッショルドで有名なオーディオ・エンジニアであるネルソン・パス氏が手造りブランドとして
First Watt を立ち上げました。
(今回のSIT1の放熱板はやはり、かつてのスレッショルドとよく似ています。)



一番の特徴はSIT(Sillicon Carbide Induction Transistor)という
「縦型FET」を採用していることです。
(注:SITというSIトランジスタの頭文字の説明がメーカーによって異なっています。
ここでは株式会社エレクトリさんのHPに準じました。)

同じくSITを用いているアンプには、
Digital Domain社のB1aがありますので、リンク・サイトを参照してください。


First Watt SIT1は
SITを純A級、シングルエンド1石で使用し、
ノン・フィードバックで10W(8Ω)の出力を保証しています。



写真はSIT1の最新版です。(輸入当初の写真にはロゴが右に配置されているものも見かけます)

真ん中のメーターはSITのバイアス・メーターで、
正面右のバイアスつまみを廻して真ん中の緑ゾーンに針が入るよう調整します。


やはりDigital Domain B1aと共通する、トランジスターアンプとは思えない滑らかさが感じられるのはSITの共通した音なのでしょう。

First Watt SIT1は、
純A級、SITシングルエンド1石という最低限使用、
ノン・フィードバックと徹底した拘りで使用されていますので、
更なるSITらしさ、リアリティ(実体感)音の素朴さ を感じられる設計になっています。

よくSIトランジスタの特徴を例える時、
真空管の中でもさらに直熱3極管である 300Bに近い動作といわれますが
その真偽はさて置いて・・

直熱管300Bでの回路と決定的に違うと思うのは、
SIトランジスタでのファイナルはスピーカーとの間に
トランスを挟まなくて良いという半導体ならではのメリットです。

かつては
カウンターポイント社がドライブ段では真空管を使用しているのに
ファイナル段ではFETの電力増幅でした。
OTL(アウトプット・トランス・レス)にしたかったのは即、想像できます。

ファイナルに出力管を使用する真空管アンプの方からも、
球の熱暴走やDC漏れの危惧があり、技術的安定度が難しいのにも係らず
OTLの試みも昔から今尚続いています。

First Watt SIT1もそういった意欲作であり、
だからこその、このアンプしか持っていない音の魅力に溢れています。


追記
ところで 一番上の写真をご覧ください。
ラックの左にぴかぴかと映っているもの・・何かお分かりでしょうか?

果実酒ではありません。
オーナー様が製作された「仮想アース」です。
音がさらに静寂になるようご使用されているそうです。


一目見て何かお分かりになった方は、相当オーディオ通ですね。


作り方や考え方は専門誌や他ネット・サイトで紹介されていると思いますが、 うまく作られています。
 

オーナー様のご厚意により アップの写真も掲載します。 




危険物ではありませんから 笑 



仮想アース関連記事
光城精工 KOJO TECHNOLOGYのForce bar EP 2017/11
*300B