C-2810はやはりすごい、唸ってしまいました。
4/22、
同じアキュフェーズのC-290をご自宅で使用されている Nさんが来店されて
「C-2810を聴かせてみて・・」ということで
展示入荷したばかりのC-2810をご一緒に試聴いたしました。
選ばれたソースがエリッククラプトン「アンプラグド~アコースティック・クラプトン」。
このソフトは試聴盤では人気がありますが、ライブでもありますし
特別高音質盤とも言えません。
C-2810の試聴ではこのソフトはどうかな?と思って
再生してみると、
「あらっ・・」
いつもとはちがうバランスで鳴り始め、しかも自然に良く鳴っています。
いつもは演奏者からちょっと距離を置いて鳴っている様子で、どこか硬い録音のイメージだったのが
この音はステージのかぶりつきかもしくはいっしょにステージに上がっているような 1、2枚ベールの無くなった鳴り方です。
いつもの雑味もありません。
それから・・
私が少しの間席をたっていたら
Nさんがひとりで今度はマイルス・デイビスのスケッチ・オブ・スペイン(普通盤)をかけて聴いています。
またまたまずい!
どうして「キンキン」とヒステリックに鳴りがちなCDばかり選んでかけるのかなー
と思って慌てて近寄ったらこれまたいつもと全然違う スケッチ・オブ・スペイン。
全ての管楽器、打楽器の音がセパレートしていて、
管楽器の音色が太く、透明度をもって伸び伸び鳴っていて、
楽器の背景が非常に静かでノイズっぽさが無く、いつものヒステリックさも感じられない・・
アランフェス協奏曲もザ・パン・パイパーも 無機的なスカスカ感は皆無で、静かな熱気が漂います。
マイルスのペットの音色も近く聴いた事がないほど太い。
ブラスアンサンブルも素晴らしく「はあーやっぱり名盤だ」と改めて思わせてくれた次第。
この時代の録音は最新アンプには合わないと勝手な思い込みがありましたが全然違いますね。
大体、これはいつの録音だ?
聴いていると1980年代の録音にさえ聴こえてくる。
試聴の間にもNさんからの質問攻め
「C-290との違いは・・」「AAVAボリュームでの違いは?」などなど・・
1周してまた思い直して、ネガティブな発言・・
「でも、この価格では買える訳無いよね」
「最終的にはC-290と好みの問題よね」とか
「この各パートが分かれた感じは何よりもワイヤーワールドのスピーカーケーブルの賜物よね」
(えっ、どうしてもプリの違いだと思いたくないって ?)
とか同意を求めてきて、
私も気持ちが判るだけに・・
ここは積極的に勧めず聞き役に徹しようと、ただうなづいていると、
次の瞬間 スケッチ・オブ・スペインから「ポーッ」と、
チューバかコントラバス○○の管楽器の魅力的な音色。
するとNさんからすかさず「今の柔らかい音なにーっ」「聴きましたー?」
・・聴いています・・
正直、私自身いつもと違うスケッチ・オブ・スペインに貴方のとなりで驚いています。
離れて聴いてる感じではなく、
ブラスアンサンブルと同じステージに入り込んでギグしているかのような音場感・・
位置的にこれでいいのかどうかは判りませんが、演奏楽器の音色が今まで聴いた事のないほどの魅力に満ちています。
そんなカウンセリングのような試聴( Nさん ごめんなさい)が4曲終わる頃まで続いて・・
ここからはさらーと流しますが・・
C-2410に繋ぎ替えてみましょうかということで C-2410で同じソースを鳴らしてみました。
鳴り始めて5秒位して、Nさんから漏れた言葉
「何か・・すでに兆候が・・」
「ボリュームのせいかな?」 といってリモコンの音量ボタンをいじり始めました。
今試聴しているスピーカーはNさんの愛機 B&W802Dで同じものです。
隣で追い込まれていっているNさんの気持ちが 刺さります。
プリの違いについて2言3言話しましたが、
あまりの違いに私は無言を貫くことを決めて、Nサンからそーっと距離をおきました。
Nさんは帰り際にきらきらした目で 叫びました
「絶対、マックさんの陰謀だ!」 何がです?「C-2810を展示していることが・・」 ええーっ・・自分が聴かせてくれって言ったんじゃん。
この様なカープのブラウン監督が退場を告げられ
ホームベースを砂で隠すような 子供っぽいやり取りで第一ラウンド終了しました。
実は、
Nさんはこちらの地方メディアにも時々登場される方です。
ほんとに良いお客様のうえ、気持ちの良い男前性格ですので、
ご紹介したいのですがそうもいきません。 特定されないヒントだけ ・ ・戦艦大和 ・・
もうひとつヒントを書いてしまうと、絶対に特定されてしまいますのでこの辺に・・。
試聴の間 C-2810のフロント・パネルを開けっ放しにしていましたが、
音がよいと蓋を開けた姿さえ堂々と、貫禄があるように見えます。
「かっこいいー」
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