2011 秋の新製品 RSA-M1

スペック(㈱)
new RSA-M1 メーカー希望価格 ¥ 609,000

新開発のオイル・コンデンサーを採用した 
デジタルプリメインアンプの新製品  

真空管アンプの“自然で美しい音色”と、半導体アンプの“駆動力”を兼備したことが特徴。

RSA-F1 、 RSA-V1の中間に位置するモデルで、
今回のRSA-M1は、RSA-F1と同一のデジタルパワーアンプユニットを採用しました。

極めて精度の高いPWM(パルス幅変調)スイッチングを可能とした最新のパワーMOS FETにより、ノイズ発生の少ない理想的なパワースイッチングを実現、またドライバー段には高耐圧で時間軸制御に優れたドライバーICを採用、パワー段のMOS FETの特長を最大限に引き出します。この結果、このPWMスイッチングデバイスが基本的に持つ優れたドライブ能力によって、音楽再生にとって極めて重要である、エネルギーの最も集中する中低域においても優れたダンピング特性を発揮し、どのような低能率のスピーカーでも躍動感あふれるダイナミックなサウンドで鳴らし切ります。

ヴィンテージの音色と現代的なサウンドが両立、Arizona Capacitorsの新開発オイル・コンデンサーをローパスフィルター部に採用  
PWM方式のアンプにおいて、ローパスフィルターは最終段でPWMの搬送波(約400KHz)を除去し、アナログ出力のみを取り出します。優れたPWMスイッチングデバイスのポテンシャルを最大限に発揮させ、自然な倍音、広帯域なスペクトラムとダイナミックレンジに富み躍動感あふれるサウンドを得ることは、このローパスフィルターを構成するコンデンサーやコイルのパーツ選定にかかっていると言っても過言ではありません。
コンデンサーには米国、Arizona Capacitors社でRSA-M1専用に開発されたMILスペックに準ずる現代では希少なハーメチック・シール(気密構造)のオイル・コンデンサーを採用しました。このコンデンサーは、往年の米国製真空管アンプ等に搭載されたヴィンテージのコンデンサーに共通する優れた音質面の特長、すなわち中低域での立体感、中高域の厚みや滑らかさをそのまま引き継ぎ、さらに現代的な抜けの良さを加味した最良の信号用コンデンサーで、RSA-M1の音離れの良い密度感あふれるサウンドを支えています。

またコイルは、試聴によって慎重に選び抜かれた特殊なリングコアによる低損失なトロイダルコイルを採用。伸びやかな音質と聴感上の歪感を皆無としています。

古典的かつ極めてシンプルなアナログ電源の採用  
このパワーMOS FETによるパワー段はPWMスイッチングによって電源の利用効率が最大出力時96%と従来の半導体アンプのおよそ3倍もの高能率を誇ります。これは同一の電源容量(主にトランスのレギュレーションによって決定される)であれば従来の半導体アンプの3倍の電源供給能力を持つ事に等しい事、また電源の質の良否がそのまま音質に反映する事を意味します。RSA-M1では、最新のデジタルアンプ技術を生かしきる方法として、あえて最も古典的、かつシンプルでノイズ発生の極小のアナログ電源、コンデンサーインプット型のブリッジ整流による±電源を採用しました。
整流器には、RSA-F1と同種の最新の業務機器用、高耐圧・大電流用「ウルトラファースト・ソフトリカバリー・ダイオード」を採用。音質に悪影響を与えるダイオードの整流ノイズを最小限に抑え、クリーンでパワフルなサウンドを得ています。
電源部のコンデンサーには、夫々異なる音質的な特長を有する2種類のオーディオ専用電解コンデンサーを並列に使用する事で、十分な整流容量を確保しつつ全帯域での音色のバランスを取り、かつハイエンドオーディオ機器にふさわしい低域の量感を強化しました。更にRSA-F1でも採用したArizona Capacitorsのハーメチック・シールの高耐圧信号用コンデンサーを並列に接続することで、特に中高域のESR(等価直流抵抗)の改善によって全帯域に渡るスムースな音の出方と倍音のしっかりとのった艶やかな音色も実現しました。
トランスには、大容量の「Rコアトランス」を採用。不要な漏洩磁束が極小で、瞬間的な大電流に対する応答性も高く、ハイスピードで立ち上がりの良いサウンドをお楽しみ頂けます。
電磁シールドを徹底した内部構造 

オーディオ機器の内部は、電源部やその他の回路部分から発生する高周波の電磁波が相互に影響を及ぼしあっており、従来の電気的なアース回りの検討だけでは音質対策は不十分です。RSA-M1においてはRSA-F1の構造をそのまま踏襲し、電源トランス部、パワーアンプ部、ローパスフィルター部にそれぞれ特殊な鋼板製のシールドケースを被せて電磁的な相互干渉を遮断し、アンプ内部のクリーンな電磁空間を確保しました。これらの徹底した電磁シールドは、RSA-M1の純度の高いサウンドに寄与しています。

楽器のような豊かな響きを実現する木材ベース・シャーシとインシュレーター  
「オーディオ機器は楽器である。」という思想に基づき、RSA-M1は楽器で使われる木の素材をふんだんに使用しました。従来のオーディオ用アンプではシャーシが発熱する為、金属と木を組み合わせることはほとんど不可能でしたが、RSA-M1は電源の利用効率が高く、シャーシがほとんど発熱しない為、金属のシャーシに木製のベースを取り付けるというアイデアが実現しました。
RSA-M1で採用したスプルース材の木製ベース・シャーシとイタヤカエデ材のインシュレーターは、オークヴィレッジ株式会社(岐阜県高山市)との共同開発によるものです。木材独特の柔らかで解放感のあるサウンドをお楽しみいただけます。
アンダーベースには、オーストリア産のジャーマン・スプルースによるソリッド積層パネルを使用しました。スプルース材は、古くからヴァイオリン、チェロ、ギター等弦楽器の甲板やピアノの響板に用いられ、振動の伝達スピードの速さと適度な減衰性を併せ持つ、響きの美しい素材として知られています。剛性の高い鋼板シャーシとこの素材を複合させる事で、聴き心地の良い豊かな音楽性を再現します。

インシュレーターは、ピアノの鍵盤にも使用されている北海道産のイタヤカエデによるもので、スプルース材の振動を適度に抑制し、その音楽性を堅固に支えます。

 
随所に高品質パーツを採用
上級機RSA-F1と全く同じロック機構付きの大容量のパワースイッチ
通信機用の高品位なフィーリングと高い信頼性を誇るセレクターや高精度カスタムボリュームを採用。
またRCA入力ジャックには分解能と高域特性に優れたなロジウムメッキ部品を採用するなど、高音質にふさわしいパーツを採用、長期間に渡ってご愛用いただけるよう配慮しました。

最大出力
8Ω負荷時 50W×2、6Ω(航空機のコクピットと同仕様の引っ張ってon、offするトグルスイッチ)や、 負荷時 75W×2、4Ω負荷時100W×2。
周波数特性  10Hz~30kHz(±1dB)   
高調波歪率  0.02%、感度 300m Vrms、利得  37.3dB。 

「真空管アンプの“自然で美しい音色”と、半導体アンプの“駆動力”を兼備したことが特徴。」
と謳っているだけあって、このアンプが鳴らす音は
多くのPWMスイッチングアンプとは佇まいが全然違っている。

非常に音楽性も感じさせる音で、相反するようだが高い透明度のなかに艶麗な響きも醸し出す。
ピアノなど器楽曲は、美音とスケール感が共存して特に魅力的です。

音のイメージはやはり RSA-V1よりも RSA-F1 に近いですね。

プリメインアンプ仕様だが、1台で、複数で、パワーアンプとしても使用可。 

当店では 、米Arizona Capacitors社製 オイル・コンデンサーも部品として販売いたします。

 

Marantz  プリアンプ #C-7 交換用セット もございます。

関連記事       銘機 MARANTZ #7メンテナンス/レストア   2013/12

係りまでお尋ねください。    

2012 10/25 追記

記事のなかでの使用コンデンサー
Arizona Capacitors Type“C50309 Blue Cactus”に姉妹機登場

Arizona Capacitors Type“C50313 Green Cactus”