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銘機 MARANTZ #7メンテナンス/レストア

2013 年末 写真特集

 

マランツ プリアンプ往年の銘機 MARANTZ #7

のメンテナンスを請け賜りました。  

マランツ プリアンプMARANTZ #7は

往年の銘機 といいましても、

もちろん現在でも第一線で音楽再生ご使用の

ビンテージ・オーディオ・ファンのオーナー様は多いです。

ですが、製造から年月が経っている為、ほとんどオリジナルの完動状態のものは皆無に近いと存知ます。

偶然、二ヶ月前にかなりオリジナル仕様の#7(バンブルビー、セレン整流器、茶ノブ、テレフンケン・ダイヤ、10,000番台)の美品が入荷し取引させていただきましたが、それほどの品でもメンテナンスが過去に皆無ということは無いのだろうと思います。

それではお預かりしたMARANTZ #7を診て見ましょう。

木製ラックからアンプ本体を外し・・

天板を開けて見ました。

カップリング・コンデンサーが並ぶ一番よく見る基板です。

セレン整流器が 使用されているので オリジナルの古いモデルですが

過去の何度かの修理によって 沢山のカップリング・コンデンサーがオリジナルから、変遷しているようです。 

測定したところ、最後の砦のバンブルビー・コンデンサーからDC漏れが発見されました。 

通電して直ぐは正常なのですが、しばらく通電しているとリークし始めるようです。 残念、

放置すると、ノイズや真空管にもダメージを与えてしまいます。

今度は底板も外してみたところ真空管のソケットに直付けしてあるコンデンサーも、オリジナルとは変わっていました。

この写真でお気付きの方や既にご存知の方もいらしゃると思いますが
#7の真空管ソケットはリベットで装着してあるのですよ・・

天板側から全体をみると、左隅にB電源に使われているセレン整流器(緑色)が見えます。

底板側からみた真空管ヒーター電源はというと

残念、セレンからブリッジ・ダイオードに変わっています。(黄色配線部分)

あと最左下にみえるコンデンサーも、2箇所チェンジされています。

真空管につきましてはテレフンケンではないですが、ムラードあたりが付いていて状態も良いので、今回は回路ベースのメンテに特化する方向で進めたいと思います。

さて、再生プランですが、各スイッチ、ソケット分解掃除などもちろん行った後、問題のカップリング・コンデンサーの交換です。

一部、正常なブラック・ビューティーなどを残す方法もありますが、

オーナー様と協議の末、今回は思い切ってオイルコン総入れ換えと決定しました。(JENSEN やオレンジドロップ、はたまた一部WEまで検討いたしましたが)

最新の品質が向上しているオイル・コンデンサーの米Arizona Capacitors社製 オイル・コンデンサー

のMarantz プリアンプ #C-7 交換用セット Arizona Capacitors Type“C50309” 片ch8本×2計16本 に交換します。

上記のヒーター用のブリッジ・ダイオードは 高速、低ノイズのファーストリカバリーへ交換します。

一部 部品を取り寄せるのに3~4日経過

ここからはリストア後です。

Arizona Capacitors Type“C50309” ⇒開発者解説

左から0.22μF(600v)×4  0.47μF ×2  0.1μF ×2 などです。  サボテン・マークがそうです。

オイル・コンデンサーは普通のコンデンサーよりも 大型になるので、作業も考えて配置が必要になります。

狭いスペースの縦にも2個 0.01μF(600v)×2

“C50309”はサボテンマーク側のリードが外側の電極(アウトサイド・フォイル)に接続されています。  

グランド側にこのサボテンマーク側を接続することで、シールド効果が得られますので

コンデンサーの巻き始め、巻き終わりなども考慮にいれた配線にいたしました。

底板側も
ソケットに0.01μF(600v)×4   左下に0.33μF(600v)×2   左上にファーストリカバリー用のラグ板を取り付けて完成しました。

全ての測定、音だし、エージング・テストを 終えて 今回のレストア完成です。

パワーアンプに300Bシングルのアンプを使用、

ソースはSONY ハードディスクオーディオプレーヤー HAP-Z1ES で

スピーカーKRIPTON KX-3PⅡを鳴らし、オーナー様に完成ご試聴 頂きました。

オーナー様に非常に気に入って頂いた様なので、大変良かったです。

「クラシック、ジャズ両方ともに鳴ってくれて、今から自宅での試聴が楽しみになった。」
とおっしゃっていました。

音の面では、 これから更にエージングという魔法がかかって来るのは間違いありません。

 

今回のMARANTZ #7に使われている

真空管12AX7/ECC83(双三極管)Mullardについて・・

私自身ムラードの球の音は好きですし現に自宅でも使用もしていますが、 

10曲くらい試聴した中で、1~2曲の器楽曲で
「純正であるTELEFUNKENテレフンケンに換えていたら、更にこんな感じかな」 ウワーッと想像を駆り立てられる曲も確かにありました。

もし換えていたら、いま好く鳴っているCELINE DION セリーヌ・ディオンの声がまたどの様に変わるかはやってみなければ分かりません。

これはもうお好みなので、オーナー様とご相談のうえ将来のお楽しみに・・

有難う御座いました。

忙しかった2013年も暮れていきます。

 

2014 /5 /8 追記

記事のなかでの使用コンデンサー
Arizona Capacitors Type“C50309 Blue Cactus”に姉妹機登場

Arizona Capacitors Type“C50313 Green Cactus” 


2020/2追記

2013/12に書いた上の記事は、私が書いた割にはそれなりにまとまっていて(笑)
ややこしく難しい話はこのサイトではしたくなかったのですが(シンプル、爽やかにまとまっている印象を台無しにする気か・・ 笑)、

上記の真空管メーカーや型式の話をもう少しだけ広げて書きますと、
実はTELEFUNKENだMullardだRCAだSiemensの音は・・とか単純に語ることは出来ません。

何故ならそれらの球のヒーター回路がACヒーター、DCヒーターと全然違い、DCヒーターの中でも整流にセレン使用、ダイオード整流(この中でもいろいろ)、フィルターのコンデンサーの容量、コンデンサー・メーカー、更にはコンデンサーがフィルム・コン、オイル・コン、電解コン、更には定電圧回路レギュレーターの有、無などで球の音は全然音が変わってくるからです。

初めて自身のプリアンプの12AX7/ECC83でTELEFUNKENとMullardを比較してみたのは今から43年前のことですが
Mullard→TELEFUNKENに交換するとSN比が上がって情報量が増え、全体のトーンがシルキーになりました。

その一方で低音と躍動感が無くなり、SNは上がったが空間と伸びやかさは引っ込みました。

この時の球交換時の違いも自身が使用していたプリのヒーター回路との相性によって生まれた音の違いです。

TELEFUNKENとMullardを交換すると必ずそのような結果になるというのも間違いだと考えます。

例えばヒーター回路がACヒーターであるQUAD 22で差し替えるとまったく違う結果があらわれると思います。
当時の私のプリよりも間違いなくSN比は下がるが、空間は増え、低音も出て、伸びやかになるのは間違いありません。

良くも悪くも「MARANTZ #7 オリジナルにするのだ」ということですとTELEFUNKENダイヤということになるのでしょうけれども・・

球の偽物、本物などをサーチしたりするのも必要かも知れませんが、
本当に絶対的なTELEFUNKENの音、これがMullardの音と共有されているものはない為
行うとしたらTELEFUNKENを使用するためにこんなヒーター回路とパーツにしました・・
と言うように回路とセットでの音造りをするしかないと考えています。

このあたりがトランジスタ半導体アンプと違うところかも知れませんね。

*marantz   *真空管    *コンデンサー      *Vintage 
*SPEC    *300B

First Watt SIT1というアンプ

First Watt SIT1 をご紹介いたします。

当店では、遅ればせながら初デビューとなりました
First Watt SIT1 というアンプをご紹介いたします。

詳しくは 上記リンクの輸入代理店 株式会社エレクトリさんのHPでご覧いただくとして
ここでは掻い摘んだ雑感のみを書いておこうと思います。


かつてはスレッショルドで有名なオーディオ・エンジニアであるネルソン・パス氏が手造りブランドとして
First Watt を立ち上げました。
(今回のSIT1の放熱板はやはり、かつてのスレッショルドとよく似ています。)



一番の特徴はSIT(Sillicon Carbide Induction Transistor)という
「縦型FET」を採用していることです。
(注:SITというSIトランジスタの頭文字の説明がメーカーによって異なっています。
ここでは株式会社エレクトリさんのHPに準じました。)

同じくSITを用いているアンプには、
Digital Domain社のB1aがありますので、リンク・サイトを参照してください。


First Watt SIT1は
SITを純A級、シングルエンド1石で使用し、
ノン・フィードバックで10W(8Ω)の出力を保証しています。



写真はSIT1の最新版です。(輸入当初の写真にはロゴが右に配置されているものも見かけます)

真ん中のメーターはSITのバイアス・メーターで、
正面右のバイアスつまみを廻して真ん中の緑ゾーンに針が入るよう調整します。


やはりDigital Domain B1aと共通する、トランジスターアンプとは思えない滑らかさが感じられるのはSITの共通した音なのでしょう。

First Watt SIT1は、
純A級、SITシングルエンド1石という最低限使用、
ノン・フィードバックと徹底した拘りで使用されていますので、
更なるSITらしさ、リアリティ(実体感)音の素朴さ を感じられる設計になっています。

よくSIトランジスタの特徴を例える時、
真空管の中でもさらに直熱3極管である 300Bに近い動作といわれますが
その真偽はさて置いて・・

直熱管300Bでの回路と決定的に違うと思うのは、
SIトランジスタでのファイナルはスピーカーとの間に
トランスを挟まなくて良いという半導体ならではのメリットです。

かつては
カウンターポイント社がドライブ段では真空管を使用しているのに
ファイナル段ではFETの電力増幅でした。
OTL(アウトプット・トランス・レス)にしたかったのは即、想像できます。

ファイナルに出力管を使用する真空管アンプの方からも、
球の熱暴走やDC漏れの危惧があり、技術的安定度が難しいのにも係らず
OTLの試みも昔から今尚続いています。

First Watt SIT1もそういった意欲作であり、
だからこその、このアンプしか持っていない音の魅力に溢れています。


追記
ところで 一番上の写真をご覧ください。
ラックの左にぴかぴかと映っているもの・・何かお分かりでしょうか?

果実酒ではありません。
オーナー様が製作された「仮想アース」です。
音がさらに静寂になるようご使用されているそうです。


一目見て何かお分かりになった方は、相当オーディオ通ですね。


作り方や考え方は専門誌や他ネット・サイトで紹介されていると思いますが、 うまく作られています。
 

オーナー様のご厚意により アップの写真も掲載します。 




危険物ではありませんから 笑 



仮想アース関連記事
光城精工 KOJO TECHNOLOGYのForce bar EP 2017/11
*300B      

PSVANE WE300Bをご紹介します

TRIODE PSVANE プスバンWE300B →pdf

化粧箱なし¥43,000 税別一本    化粧箱入り¥90,000 税別ペア

化粧箱なし2本は、即納在庫1ペアございます。   

PSVANEはヒーターの吊り構造など、徹底的に完コピーしたWE300Bです。 

以前のWE300B関連記事

当スタッフはまだ音質を確認できていませんが、

すでにご注文などは入ってきています。

 

追記

上の写真の真空管プスバンの横に鎮座している300Bシングルのアンプは

TRIODETRV-A300SER ですが、TRV-A300SERをお求めの際に、

初めからPSVANE WE300Bをご希望の方は、

出力管300Bの価格の差額で、お得にお求めいただけます。

PSVANE WE300Bを装着したTRV-A300SER

やはり音が相当クリアになりました。

もともとTRV-A300SERに装着されているTriodeの出力管300B (ハカマの色でお見分けください)

国産TA-300B

高槻電器工業株式会社製

TA-300B   税別価格 ¥98,000ペア 

製品も価格も下記新モデルに移行いたしました。

フィラメント電圧 5V
プレート電圧 450V(最大)
プレート電流 100mA(最大)

プレート損失 40W(以内)


追記 2012/3/9

高槻電器工業株式会社製 TA-300Bに新バージョンが発売されます。
改良されたTA-300Bは価格も¥133,400ペア 税別となります。

2019現在 価格は¥165,000 マッチドペア 税別です。



整流管 TA-274Bも発売されます。 価格は¥80,000 一本 税別

2019現在 価格は¥90,000 一本 税別です。

 

当店でもTA-300B、TA-274Bなどが人気でご注文をいただきます。

 

高槻電器工業 300Bシングル・アンプ TA-S01   2019/8

*高槻電器工業    *真空管    *300B     Vintage 

 

KR Audio Electronics社の真空管 取り扱い開始しました。

KR Audio Electronics社株式会社テクソル ホームページ

写真は左から KR211 KR300B KR PX4 

  

KR Audio 真空管カタログ

その他のメーカー
Svetlana_C Svetlana_S   Golden Dragon Ei Elites 他    その他のブランド紹介

KR Audio Electronics社 の中では

KR 845 /MP (注:KRの845、211はヒーター電圧に注意が必要です。)  
KR300B/MP
KR PX25 /MP などの出力管が当店では人気です!

注:KR 845、KR 211のフィラメント電圧に関する注意(PDF)  

*真空管   *Melody     Vintage    *300B   *845

今後、発売される新製品 TRV-845SE

 

 

ご存知、送信管211と同等管で
オーディオ用途に人気の高い845のシングルアンプです。

エコ・ポイント? には程遠い30A、プレート電圧1000V級と、まさにマニア向けといえますでしょうか。
奇麗に明るく光るタングステンヒーターもLED電球とは対極です。    

中央の電源トランスは30Aを充分に供給できるよう大型に、
両側のアウトプットトランスはシングルアンプに起こりうる一次側の直流磁化を防ぐためのコアギャップを大きく取らなくてはいけない為、プッシュプルアンプのアウトプットトランスよりも大型になっています。

それでも、845のアンプにしてはコンパクトにデザインされています。

山崎さん(株 トライオード社長)曰く、トランス調達にいちばんご苦労されたとか。

ドライブ段はトランスではなく真空管で、
ドライブ管は一見300Bのようにも見えますが、実は2A3です。音質面から採用されたようです。

電源の平滑回路はWチョークの ダブル π型フィルターですが、チョークトランスは中に納まっているので外からは見えません。

 

*TRIODE   *300B   *845

LINN リン KLIMAX DS!来たる!

4/5(土)、  4/6(

192kHz/24bit再生に対応した次世代のDSプレーヤー
AKURATE DS  KLIMAX DS



新型 MAJIKシリーズも初お披露目です。
new   
MAJIK 140
MAJIK-I
MAJIK LP12 
 
評判の最新CDプレーヤー AKURATE CD との比較も行ないます。
 
いづれも広島初お披露目です。奮ってご参加ください。  



イベント後記

先立って東京のホテルで行なわれた発表会には行くことが出来なかった為、
噂でしか知らなかったDS・・

当店で初めて耳にするDSはやはり凄かった。

デジタルオーディオの殻を破る音質で、
個人的にも久々に触手が伸びそうな製品ですが、
なにせ安くはない!というのが欠点でしょうか・・

音質比較すると
CD とDSの音質はアナログ時代の表現で、
誤解を恐れずに書いてしまうとLP再生 対 2トラ38再生 のような違いに聴こえました。

もちろんLPの音が悪いわけでは無いのですが、
擦れ音を感じさせなくて音程のピッチが安定していて神経質にならず、
低音から高音までエネルギーがフラットでバランス好く、
ダイナミックレンジ広大で物理特性が良い、
迫力があってうるさくならないといったイメージです。



ここからは余談になりますが、

DSプレーヤーの音を聴いてみると 
デジタル創成期の26年前、
ソニー研修所で聴かせていただいた民生用PCMデジタルオーディオプロセッサー
PCM-F1+ ベーターマックスF1 (Uマチックだったかも知れません)の音を思い出しました。

研修室の舞台には幕が閉じていて、
音が鳴り出した瞬間、
信じられないことに、幕の後ろの舞台上にフルオーケストラが実物大で現れました(音による登場だけですが)・・

音量も実物大でまるで生演奏を目の前で聴いているようでした。

そして演奏が終わって幕を開けてみると、
なんと左右に1本ずつ1ペアの中型ブックシェルフスピーカー(ソニーSS-G5) だけだったという演出でした。

たしかソニーからの世界初のCDプレーヤー CDP-101 の
お披露目を兼ねた研修会 だったと思います。

まだ、アナログ全盛の時代
その頃の私は ・・デジタル音?・・
DENONのPCM録音LP?Compact disc player  それって何?というかんじで

新しい規格だといわれても・・
ソフトも無いし、市場から受け入れられるのかな・・などと思っていました。

(そんなことよりも個人的には、アナログプレーヤーで、間接ドライブの高音質ターンテーブル・モーターは目処が立ったので・・ 私自身プライベートでロングも含め当時5本のアームを使用していましたが、帯に短し襷になんとかで、ユニバーサルアームにも限界を感じ、何とかリニアトラッキングアームの理想的なものができないか・・
サウザー・エンジニアリングのアームをなんとかダイナミックバランスに改造するには針圧加圧用スプリングを何処に装着すればカートリッジのトラッカビリティが理想的かなどと・・)
そんなことばかり・・ 毎日考えている頃でした。


さて 研修会場にてCDP-101 の初のお披露!
世界初のCDP-101 でCDソフト が鳴りました!

しかしCDを再生して音を聴かせてみても、
全国から研修会に来ていた皆さん、私たちがあまり音質に驚かない様子に
講師の方が 軽く切れて プチッ・・ (失礼)
 
これでどうだとばかり、前述の PCMレコーダーの再生となった記憶があります。
 (確かに、こちらのデジタル記録音には驚かされました。)


26年が経て、
DSプレーヤーはそのPCMデジタルオーディオプロセッサーの 超ハイサンプリング、超高 bit 現代版 といった印象です。

表情も表現も 非常に細やかで、
ニュアンスが当時のPCMの機械(当時はもしかしたら水晶クロックなどではなくて PLLサーボか何かで同期をとっていたのではないかと思いますが)
 とは全然違います。


この DSプレーヤー の音を二日間
プリメインのMAJIK-Iと MAJIK 140 で鳴らしていたのですが、
いくら試聴ソースが良いからといっても、ダイナミックレンジの広いDSの音の良さを存分に出してくれたこのMAJIKシリーズの
アンプもスピーカーも小型なのに大した物だと思いますね。

「DSを実際にどう使用するのか」判りやすく解説してある記事が御座いますのでこちらをご覧ください。 →「KLIMAX DS攻略」第1話 3ページ 

特別配布DSニュース(pdf)ご希望の方は、スタッフまで


PS:
脱線ついでにページをお借りして 
ソニー研修所での思い出を補足いたします。

CDP-101、PCM-F1 の試聴に使用したアンプは、なんと研究用、試聴用に製作された(否・・製作途中?)の真空管シングルアンプで、出力管は 845 か 300B だったか忘れましたが、内部の部品 主に高音質コンデンサー等をテストする為、裏返しにセッティングされており、 トランスも真空管も逆さ吊りになっていて、さらに底板 を取り払ってそこからケースに入りきらない部品がまるで枝垂桜のようにぶら下がっていたのを覚えています。

なんでも角型メタライズド・ポリプロピレン系と思われるコンデンサーはその当時まだ日本では手に入らない、超高価(金額も覚えていますがあまりにも常識はずれなので書けません)なものだそうで、NASAの方から特別に入手したとか・・(どこまで書いて良いのかちょっと心配しながら書いていますが・・)

逆さにぶら下がっている出力管、トランスなどの本体よりも。 外に垂れ下がっているパーツ(おそらくは高性能抵抗ほかカップリング、カソードパスコン、電源パスコン、電源フイルターなどのコンデンサーが何十個も・・)の方が 3倍 近いボリュウムだった 印象があります。

当時の ソニー本社2号館の開東閣よりに隣接していた研修所もいまはもう無いのでしょうね

・・ 懐かしく寂しい限りです。



余談中のさらに余談:

現在、ソニー本社は品川駅をまたいで港南に移っているようですね。

三菱グループ所有の開東閣(カイトウカク)は研修の休憩中、こんなお屋敷は一生、中に入ることは叶わないだろうな・・と思いながら石柱に顔をくっつけるようにして研修所方向から庭を覗き込んでいましたが・・それから10年経って、なんと三菱電機の3管プロジェクターの新製品発表が開東閣で行なわれ、招待され行ってきました。 ホーム・シアターも取り扱っておくものですね。

正面玄関から車で入りました(当たり前・・笑)
滅多にしないタイを締めて、有名なテラスの芝でお茶をいただきましたが、感動していない振りをしてました。笑

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Pioneer フェア開催

3/1(土)、2() 

★液晶とプラズマの違い、黒が黒いって?
速い動きに強いって?ブルーレイとDVDの違い等など、
どんなことでもお答えします! プラズマTV最新技術説明会。  

パイオニアマーケティング?より 鈴木氏、山下氏 来店

★人気のプラズマTV KUROのフルラインナップ展示による比較視聴会。

PDP-6010HD  PDP-5010HD  PDP-508HX  PDP-428HX



★広島初登場!! 早くも予約殺到中!
話題の人気アンプ SC-LX90
オールEXシリーズスピーカー による最新HDフォーマットサウンド体験会。

★会場特別価格、5年保証、ご成約記念品、特別クレジット ほか特典満載のセール開催!

当日は混雑が予想されますので、指定駐車場をご利用ください。

会場設営に際し、北側 Entrance入り口が塞がりましたので、正面Entranceからご来店ください。 

宜しくお願いいたします。

  盛況のうちに終了いたしました。

最新・各社大型TVの画質比較、電力計による省エネ比較も御覧頂けます。 
同じ50インチでも上の他社モデル、下のKUROでは電力計の数字が倍近く違っています。画質もすっきり



本日広島はお天気も良く、出足好調です。 (スギ花粉注意!) 



「LOVEちゃん」  (一歳 雌 ) も見比べて、PDP-5010HD にしちゃいました。



常連さんは試聴室で休憩中



シアタールームではSC-LX90、オールスターEXシリーズスピーカー 炸裂!



当店では輸入版のブルーレイ Legends of Jazz with Ramsey Lewis Showcase(16bit 48kHz)が密かなブームで、よくかけてご試聴戴くのですが・・

この中の They Can’t Take That Away From Me – Jane Monheit, John Pizzarelli  を特別シアタールームの中で再生していまして、常連のJazz好きオーディオマニアの皆様に随分評判で、数人の方が耳を疑ったくらい音が良かったと興奮されております。

褒めていただいた(猛者の)方々のご自宅のシステムは半端ではなく・・
本当に、映像処理もするマルチ・チャンネル・アンプ + EXシリーズスピーカーが  耳を疑うくらい音が良かったのか・・

ご自宅で使用されているWadia + MARK LEVINSONプリ、パワー + avantgarde、
JBL 2インチドライバー2本のダブルドライバー、JBL38cm×片チャンネル4本、ステレオで8本のオールホーンシステムや、
もうひとかたのESOTERIC X-01Limited、REVOX H2、Marantz SC-5/bb-5プリアンプ、 JBLチャンネルデバイダー5234×2、WE300B-PPの3wayマルチ(WE300BはWE オールド、WE ベルマーク、WE(2005)MP×2、STC 4300A MP×2、4300B MP×2やGDチタンプレートMP×2、GDカーボンプレートMP×2、CETRON300BMP×2などなど)
+ WE 555 + エール音響 1710 + TAD1601b、JENSEN G-610CG  Concert Master 
などの組み合わせをあっさり凌駕しちゃったのかなー?

社交辞令には聞こえなかったけれど、一瞬 本当かと、勘違いしたりします。

基本的にはやはりEXシリーズスピーカーSC-LX90でバイアンプで駆動させたことによる成功だったのでしょう。
(機能でいえば特にフルバンドフェイズコントロールが効きました。 ON、OFFではかなりの差が・・ ONにすると情報量が圧倒的に増え、複数の演奏者の音がきれいに分離し、もやもやが消え3D的に鳴り始めます。)

・・が
後に判ったのは、皆さんからお褒めいただいた試聴盤
は前述のブルーレイソフトではなく、
パイオニアさんがイベント用に持参したドルビー社のデモソフトでした。
音源はたぶん同じですがサウンドを16bit 48kHz → 24bit/96kHzにアップデートされたものでした。

・・比べると確かに違います。

残念ながら、 このドルビー社のデモソフト内のThey Can’t Take That Away From Me – Jane Monheit, John Pizzarelli の2分間を除いて、Legends of Jazz (全編) 24bit/96kHz  のソフトは、この世に存在しておりません。

前者のブルーレイソフトLegends of Jazz (全編) も絵は抜群!
音も相当良いですが、Chris Botti Dave Brubeck Ramsey Lewis など他にも多数の名人が観た人に拍手をさせずには置かないほどの演奏をしてくれていますので、音のスペックにも更なる欲が出てしまいます。

(唯一個人的に心配だったのは、私のかつてのアイドルだった Benny Golson のプレイが少しお年を召されたのかな?と・・)

Clark Terry   Dave Valentin のパフォーマンスについては
今のままでも、どんなソースでも十分笑えます(・・ 元へ、今のままでも最高! ご機嫌に楽しいです。) 


 イベントで初めて SC-LX90 を聴いたときは、

このアンプを何処かでAVアンプの範疇と考えていた部分が多分にありましたが、
ある専門誌で開発設計者の鹿山公二氏のプロフィール、開発のアプローチを読んで驚きました。

このアンプは本気でHiFi 2chステレオ のオーディオを意識し、
更に「それを超えて行きたいのだ」という意欲満々で設計されているということがよく判りました。

鹿山氏ご自身も真空管アンプやTADなどのHiFi機器オーナーだそうで、
それにも増してご自宅でも会社でも常にどうしたら本当の正しい音に近づけて行けるのかを模索されているそうです。
イベントでも効果の大きかった フルバンドフェイズコントロール もその賜物だということです。

SC-LX90 は確かに映像処理機能もあるマルチアンプですが、多機能なHiFiアンプと位置づけてカチンコでテストする機会を設けてみたいですね。


 
イベントの後書きのつもりで気軽に書いてきましたが、調べるにつれSC-LX90 は大変なアンプのようです。
我が不明を恥じるばかりです。

イベント当日は、忙しくて山下さん(パイオニアマーケティング)にアンプについて詳しく聞けなかったのですが、後日またお会いできたのですこし細部について聞くことが出来ました。

まず出力デバイスは、第五世代の出力素子といわれるほどの優れた特性を持つICEpower という素子でSC-LX90のなかでも紹介されていますが、難しくて分かり難い部分もあります。
 ICEpower 採用に関してはパイオニア社内でも議論があったようですが、開発設計者の鹿山氏からの強い要望で採用されたようです。

 ICEpower を早くに採用したアンプに Jef Rowland  Model 304C などがありますが、
デバイスを使用するコツについては各社のノウハウ、工夫がそれぞれあるようです。

 ICEpower の開発経緯について太陽インターナショナルさんのJef Rowland  Model 304Cのページが参考になります。

もうひとつ触れておかないといけない音の秘密にウォルフソン社製の高性能D/Aコンバーターの存在があります。

「世界の高級オーディオをはじめ、録音スタジオのプロ用デジタルミキサーなどにも使用されているウォルフソン社製の高性能D/Aコンバーター。そのプロのサウンドエンジニアも認めた高い性能のさらなる進化を求めてウォルフソン社が開発した最新のフラッグシップD/Aコンバーター「WM8741」を搭載しました。」
というのがSC-LX90 高音質技術ページからの抜粋ですが、
このウォルフソン社製の「WM8741」も次世代の非常に音のよいDAC素子として認知されてきており、LINNのKLIMAX DSなどでも要の素子として紹介されています。


参考:ウォルフソン・マイクロエレクトロニクスからのプレスリリース  (2008年01月11日15時) →本文Wolfsonの WM8741 DAC、Linnの新製品Akurate DSに採用、究極のオーディオ環境を実現、音楽の未来像を提案

という訳で、
SC-LX90が盛り沢山すぎて、細かく紹介していると話が広がりすぎてしまい・・

SONY,SHARPとも違うデジタルアンプ部での独特のサンプリングの採り方や、
アナログ・デバイセズ社製 SHARCRプロセッサなど高画質映像処理機能の方まで書けないくらいです。

CPの高さも含め、大変なアンプであることがようやく判りかけてきました。
ご予約頂いているお客様からは、今頃何を言ってるの?と言われそうですが・・

 

*PIONEER       *MarkLevinson      

 *JBL

    

*BW      *TAD
*Jeff Rowland

  

JBLハーマン

 

  *ソニー    *LINN     *avantgarde

ソニー プロジェクター ラインナップ

*BRAVIA      *ブルーレイ     SHARP       *marantz     *McIntosh
KIKUCHI      *JVC_PJ      *ソニーPJ      *PANASONIC 
*真空管      *300B      *コンデンサー         *Vintage